覆面座談会 その2 コクド雑感


A=シニカルな後輩
B=シニカルな先輩

A:コクドのツツミ氏が逮捕されたそうで。こちら(堤前会長を逮捕 東京地検特捜部)。
B:わからないのは、なんで今頃ってことだ。ツツミなんてのは、今までさんざん黒い噂が絶えなかったからね。
A:ほう……どういう?
B:たとえば、あの一族は莫大な遺産を相続してるのに相続税を払ってないとかね。
A:へえ。
B:世界一の金持ちなんて言われてたこともあったんだぜ。帳簿上の操作らしいけど。国税局がよく目をつぶったよな……というよりよく見て見ぬふりができたな。ちょっとあからさまじゃないか。徴税の基本は「建前上の平等」だぜ。おかしいよ。
A:税金のことになると熱くなりますね。
B:政界や貴族の方々にも強力なコネがあるから、摘発されることなんかないと思ってたが。
A:金回りが悪くなって、政界にとってうまみが無くなったってことですかね。
B:日本人は落ち目の人間に厳しいからな。弱みを見せると徹底的にやっつける。今までさんざん持ち上げてきたマスコミもここぞとばかりに醜聞を書き立てている。あんまり目新しいことはないけどさ。そんなこと、当のマスコミが一番知ってんじゃないか。
A:マスコミは、今までなんでそういうことを報道しなかったんでしょう。
B:自分たちにとって都合の良いことしか報道しないのがマスコミ。西武グループなんてのは上得意だから、わざわざ仕事減らすようなことはしないよ。今は落ち目で、この先、ツツミには期待できないから叩くのさ。グループの経営権を引き継ぐ勢力にとっては、その方が助かるしね。叩くことで新しい勢力というか、新しいスポンサーに取り入っているんじゃないか。
A:なかなか厳しいですね。
B:だから、ニュース番組なんてワイドショーと同じだと思って見てればいいんだよ。いや、見なくていいんだ。
A:そうすか。そう言う割には、先輩、結構ニュース好きなんでしょ。奥さんから聞いたけど、夜10時からNHK、テレビ朝日、TBSってはしごしてるらしいじゃないですか。前は9時台のニュースがないってぼやいてたし。
B:……そりゃ、ニュースを見ないと世界情勢がわからないし……
A:ニュース見ても、世界情勢なんてわからないですよ。ベネズエラの大統領はどうなったんだ、まったく。
B:またそれか。そんなに興味があるんだったらインターネットで調べたら?
A:検索してもよくわからんのです。
B:英語で検索しろよ。すぐ出てくるよ。
A:英語で検索しても読めないんです、英語、苦手でして。
B:メディア・リテラシーは、情報の可能性を広げることからだ。だから英語でも読んでみることだ。オレだってニュース番組いっぱい見てんのは、情報の可能性を広げるためだよ。いやホント。
A:そーか。じゃボクもワイドショーみて研究しよーっと。「里谷多英”夜の大開脚騒動”」か……なるほど、なかなか面白そうだ。
B:それどこのチャンネル? オレも見よ。情報の可能性を広げにゃあ。

(里谷多英選手の参考記事:スキー連盟が泥酔トラブルの多英聴取へ:「(一部報道と)事情が異なることもあるようでショックを受けている」らしい。マスコミが、あることないことかき立ててんだろ、どうせ……)

投稿日: 金曜日 - 3 月 04, 2005 09:49 午前          


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