肌で感じたJA、つーか農協



引越しもやっと一段落して、少しだけ落ち着いた。
ネコの亡霊に悩まされることなく(3月16日の書き込み参照)至ってぐっすり眠れる。しかも、夜遅く寝ても朝6時には目が覚めてしまう。田舎の生活にシフトしたからか。
田舎の生活と言えば、驚くこともいろいろある。
小学校の校費の引き落としがJA(農協)以外できないというのもその一つだ。ウチではほとんどのインフラ経費を郵便局で引き落としていたが、この地では、どうやら「農協で引き落としせんかったら子どもに現金を持ってこさせるけんね」という態度らしい。金融機関の口座なんかこれ以上増やしたくないし、ましてや(いろいろ悪しき噂の多い)農協なんてのは生涯関わることがないだろうと思っていたもので非常に当惑している。
ま、そんなことを言っていてもしようがないので、近所の農協に行って口座を作ってきた。農協に行くのは初めてだが、なかなか新鮮というか馴染めないというか、二度と行きたくないと思わせるものがあった(応対は悪くなかった)。
入口から入ってすぐのところにカウンターがあり、ここらあたりは金融機関然としているのだが、横のスチールラックに米やあられが陳列されているのは、さすがに農協。待合い席では、作業着のおっちゃんたちがたむろしてローカルな話をしている。ここは彼らのサロンになっているのか。
カウンターの対応も牧歌的というか少々ずさんというか。たとえば銀行印を預かったはいいけれどそのままカウンターの奥に行ったり(銀行印を預かる必要があれば客の目の前で必要な箇所に判を押してすぐに返すべきだ)、口座の登録作業(事務員が目の前でコンピュータに入力していた。これもすごい)のときに私の職業を尋ねたり(「自営」と書いていたのだが詳しく言えということだった。何なりと適当に入力しとけばいいのだ。おかげで私の職業は作業着のおっちゃんたちの知るところとなった)、あるいは申請書の書き直しを一方的に命じたり(理由を尋ねたが説明の意味がよくわからない。「入力できなかった」ということらしい。その理由もよくわからない)で、こんなことで金融機関としてやっていけるのかと文句の一つも言いたくなるところだ。
私はこれまで結構な田舎に住んできたこともあり、それぞれで金融機関を利用してきた(主に郵便局)が、これだけカルチャーギャップを感じたことは今までなかった。各地域にはそれぞれ地域色があるもので、それはそれでよくわかる。東京から超してきたときも少なからず違和感を感じたものだ。
しかし校費の納入窓口が農協のみ(何か裏があるのかと思わせる)というのは少し特殊だ。
ちなみに私が引越したのは前の居住地から6km程度しか離れていないところで、自転車でも30分くらいで行き来できるのだ。いくら田園地帯といってもこれだけ違う世界を体現できるのが農協の力なのか。農協恐るべし。

今週のお奨め本:『農協』(立花隆著、朝日文庫刊)

投稿日: 月曜日 - 4 月 04, 2005 11:51 午前          


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