となりのストーカー


 


近所に一人暮らしの中年(だと思うのだが)女性が住んでいる。先日の夕方、その女性が、うちの前の狭い道を猛スピードで車を飛ばして帰ってきた。門扉を(これ見よがしに)大きな音で開けて、かなり大きな音で閉める(ガラガラドッカーンというような感じ)。そこいらのものを大きな音で、動かす、叩く、蹴るような音が聞こえ、家の中に入っていった。ただし、うちの家からは、その家の様子がまったく見えないので、すべて音だけの判断だ。今度は家の中から、ドカンとかガタピシとか、あるいは階段をわざと大きな音を立てて上り下りしているような音が聞こえる。
こっちはびっくりして、聞き耳を立てている。
そのうち、悲鳴が聞こえてきた。続けて3回も。やがて、男の声で怒声が聞こえる。家の中のいろいろな音はまだときどき鳴っている。しばらくすると、テレビかラジオかわからないが、大音量で何かを流し始めた。
突然嵐が来たかのようだ。まさに疾風怒濤。すわ事件か!ということで、こちらも冷や汗ものだ。その後も、家の中の音はしていたが、段々しなくなり、30分ほどしてから音はピタッとやんだ。何もなかったかのようになった。
近所の人が道に出てきたのでつかまえて「大丈夫ですかね」と聞いたところ、「ちょっとヒステリックな人だから」というような答えだった。
「この間はストーカーに狙われているとかで、騒ぎになっていた」ということも教えてくれた。
なるほど、ストーカーね……これで少し合点がいった。
要するに、このヒステリックな女性が、帰り道のどこかでストーカー氏の気配を感じ、それでいらつきながら帰ってきた → 家にストーカー氏がいた(あるいは入ってきた) → 騒ぎ → 両者とも少し落ち着いた
とこういう状態だったのではないかと推測される。
それでもこちらは少し恐怖を感じる。そりゃ「ストーカー」と言えば、「殺人」とか「精神異常者」とかそういうのを連想するから。それで、ネットで少し調べてみた。「ストーカー=精神異常者→殲滅すべき敵」という図式で書かれたものがやはり多かったが、「ほとんどのストーキングは恋愛のもつれ(被害者が気付いているかどうかは別にして)から始まり、誰でもストーカーになる可能性がある」という視点で説明があったのが次のホーム・ページ。
『DiamondApricot 電話研究所・ストーカー概論(解説:山崎はるか)』
このページによると、間に仲介者が入って話し合いを持たせることで、ほとんどのストーキングをやめさせることができるという。
図書館でストーカー関係の本も借りてきて読んだ。
『あなたがストーカーになる日』というのがそれで、これも先ほどのページと近い考え方である。ちなみに著者は、ストーカー対策の仕事をしている女性だ。
こういうのを総合すると、要は、プロの仲介者を間に入れて当事者同士で解決するしかないということで、アカの他人、「ましてや近所に住む男」は絶対に介入すべきでないということになるようだ。ともかく、興信所や相談所に依頼するなどして、少しでも早く解決して欲しいものだ。
その後も何日間か騒動が勃発している。現在進行中だ。こちらも騒音で結構不快な思いをしている。何か起こったら「となりのストーカー その2」がアップロードされることになるだろう。乞うご期待。

投稿日: 土曜日 - 7 月 23, 2005 01:31 午後          


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